【第6号】大きなお世話通信

発行人:金井美穂

ごあいさつ

平素は格別のご厚情を賜り、ありがたく御礼申し上げます。
皆様におかれましては、ますますご健勝のことと存じます。

障がい者GH「アミティエ」は、皆様から有形無形の援助をいただき、7年目を迎えることができました。
現在の利用者様は男性4名、女性4名。念願だった市営住宅のGH利用も着々と進んでおります。
今年度はかねてより計画しておりました、新GH・CH「アミティエS1」に加え「アミティエS2」も開所することとなりました。
それに伴い市営住宅外側に新たにお風呂を設置したり、リビングには巨大な52インチの3Dテレビを設置し、各部屋にはBSアンテナを通し、
更に居心地のいい空間を目指しています。
お気づきかと思いますが、仲間の入居退居が激しい年度でもあり、三障がいに加え男女共存という難しさを改めて痛感しております。
そのためアミティエは女性専用、S1・S2を男性専用居住スペースへ変えました。

最近の様子・・・あれこれ・・・(2年まとめてどうぞ)

★2月★
突然の鰻食べたい発言がとまらず、なぜか一番高価なこの時期に鰻を食べに外出。
次の年は通常の鰻の日にて新スタッフによる特上鰻を堪能しました。

★春★
毎年恒例の上田城跡公園でのお花見会。2年続けて本当に満開の桜を満喫しました。

★GW★
こちらも毎年恒例になってきました、帰省予定のない方対象のぶらっとドライブ。
一昨年は佐久バルーンフィスティバルからの温泉ツアー。今年は須坂動物園と善光寺観光に行ってきました。

★5月★
川辺町のバスハイクでは噂のパワースポット戸隠への旅。
高橋まゆみ美術館にもよることができとても充実した内容でした。

★6月★
アミティエBBQ会。晴れを予想し、日よけにと事前に用意したテントが大活躍。
恒例の流しそうめんにも挑戦し、2年連続約30名の方との交流を楽しむことができました。

★7月★
上田わっしょい・祇園とお祭り大好き夏の始まりです。

★8月★
川会町のお祭りでは男性軍は神輿を担いでの大活躍!
上田花火大会では初めての快晴。このときは賑やかで定員いっぱいの利用者さんがいました。
8月のとある土曜日、みんなには内緒のお別れ会(次の日引っ越しされる方のために)。
その方の希望でみんなでかっぱ寿司に行きました。合計200皿です…。

★海★
一昨年の日帰り海旅行では、谷浜へ。短い時間に電車の移動とかなり大変ではありましたが、お天気にも恵まれ楽しいひとときを過ごすことができました。
12年夏は、諸事情が重なり海は中止。なんだかこの頃は、色んな予期せぬ出来事が重なって、しんどい時期でもありました。

★秋★
もちろんいきました、松茸温泉。一昨年は柏屋さん。今回は別所観光ホテル様を選択。
外食にも行けず、部屋から出ることができなかった利用者さんが、バスに乗ってくれた感動は忘れません。

★9月★
上田ふれあい広場。こちらではハートフルアミティエ倶楽部として毎年お店を出しています。

★12月★
こちらも恒例のクリスマス忘年会。2年続けて手作りケーキに挑戦、楽しい宴会になりました。

★夜温泉★
月に一度の夜温泉外出。ささらの湯にびんぐし湯さん館、あいぞめの湯と気分で場所替え。

★外食日★
健康のことを考え、月に2回あった外食日をやめて食事は全て三食提供(休日含め)することになりました。
一部からブーブー不満の声もありますが、やはり単独または男女間での夜間までの外出が危険という判断に至るまで、
色々とやらかしてくれた仲間達。ちょっとは反省してね(泣)

入居も退居もタイミングだと痛感しました。スタッフ採用についてもそうですが…
新しい仲間が以前より心豊かになれるように、そして退居した仲間もより豊かな生活ができるように私はいつも願っております。

そんなわけで本当にドタバタした2年間。仲間もスタッフも入れ替わるという事態が続きましたが、
今回の広報では、今後の方向性と新スタッフの紹介もきちんとできることに感謝です。

仲間の様子・・・あれこれ・・・

まず、新しいスタッフの紹介です。年齢不詳の荒木さん。ご縁があって、世話人さんとして昨年より本格的に働いていただいております。
以前は家政婦をされていたこともあるということで、みなさんの食事のリクエストには何でも答えてくれちゃうからすごいです!
末永くよろしくお願いいたします。

さてさて、本題に戻りまして、仲間達の様子ですが、

恋愛の自由、宗教の自由、利用者さんの希望だから、願いだから、そんなこんなに振り回されて怒ったり泣いたりの2年間を過ごしておりました。
まず最初にぶつかったトラブルは、相談支援がらみでした。
ある日突然他事業所の相談支援専門員がやってきて、ろくに話し合ってもないまま、今までの生活を無視してご本人の希望だからと
利用者さんの引っ越しの日時まで決められてしまい、それはそれは悲しい思いをしたものです。
その後の利用者さんは?といえば…何事もなかったかのように呑気に今まで通り連絡をくれます。
今度いつ会える?くらいの感覚で出ていったつもりなのでしょう。まだつながっているんだと思うとちょっぴり嬉しいです。

そして恋愛の自由、宗教の自由。
実はこれは地域生活つまりグループホームでの生活の場と日中活動場に大変密接につながっている話であり、一番の悩みの種でもあります。
ひっきりなしにかかってくる利用者さんへの勧誘の電話、平日夜間関係なく訪問しての勧誘。
それから休日のデートや、夜間の抜け出し(ここまで言っちゃっていいのかしら)
皆さんの出会いの場所は大抵が日中活動の場や病院です。
そちらの事業所の方とお付き合いしているようで、夜間のトラブルが有り困っていると、活動先へ連携をお願いしなければいけない場面も多々出てきます。
恋愛は自由と言いながらも、結局はどこかで線を引かなければならない。皆さんはその枠から飛び出したくてうずうずしているのに…

自由と希望と願いをすべて受け入れることが正しいのでしょうか?
相談支援事業にもこれは深く繋がっていることなのですが、願いと現実の違いを認識しながら
その方の可能性を見つけ、導くことができたならどんなに理想的なのだろうと思いますが。

そして自由に羽ばたいて挫折した時、初めてご本人からSOSの信号が出されます。当然のことながら
すべての後始末については、いつも生活の場であるグループホームにやってきます。
保護者への謝罪、入院などの処置。店舗への謝罪等。そして…残るのはスタッフへの利用者さんからの反感のみ。

皆さんの本当の願いって何なのでしょう?いつも考えさせられます。
恋愛にしても宗教にしても、ただ「普通の生活、他の人と同じように自由に生きたい」それだけなのでは?

自由な生活をしているように見える、いわゆる健常者と呼ばれる人と自分たちはどこが違うの?
そんな質問をされたら、皆さんはなんて答えますか?私は何年経っても正直、明確に答えられずにいます。
家族のために、私欲を我慢して我慢して、疲れた体に鞭打って毎日仕事をしているお父さんお母さん。
生活のために家賃のためにアルバイトするお兄さんお姉さん。勉学に励む兄妹達。
残念ながら、愛する人のために働くという意味を、仲間たちは理解しようとはしてくれません。
いつまで経っても、家族は自分のためにお金を与えてくれ、お菓子を買ってくれる存在でしかないのです。

そして支援者と呼ばれる私達は「うるさい、うざい、自由を取り上げる嫌な人達」として認識され、
何でも我儘を聞いてくれるスタッフは「優しい人」と認識され味方になります。
崖っぷちをヨタヨタと歩いている皆さんを守るために、私は口うるさい嫌な人であり続けなければいけません。
そう、だから「嫌われてなんぼじゃ!」の精神でいるしかないのです。

編集後記

あれ?こんなことをしていたら夕方…。皆さん続々と帰宅してきます。
「ただいまぁ」と元気に顔を出す方。そ~っと音もたてずに部屋へ行く方。ただいまをわざと言わずに怒って口も聞かない方。
どの方も皆、6時になると腹時計が鳴るそうで。
夕方6時ジャスト。リビングに皆さんが集まってきます。1日をリセットする団欒の時間です。
夕食後には、血圧を順番に測り、9時になるとそれぞれ居室に帰っていきます。

皆さんが寝息をたてる頃、やっとスタッフは自分にただいま、お疲れ様と言える毎日。
明日もいい天気でありますように。明日も元気でいられますように…。

アミティエとは、フランス語で「仲間」という意味です。
そうして法人名「港」には、
嵐の海でも立ち寄れる港のような存在を目指してという願いが込められています。
この二つを心の理念に、初心忘れべからずで。頑張っていきます!
そう、自由はあなたの心次第!(^^)!

金井(美)

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